インスリンの絶対的または相対的欠乏の為に、ブドウ糖が体内で利用されずに尿中に出る状態をいう。全身性の代謝異常が起こる。また、動脈硬化を原因とする成人病が発症しやすくなり、特に、末梢の細動脈硬化を合併する特徴がある。
糖尿病が疑われる症状として、次に示すものがあげられる。
①尿量増加、食欲亢進、体重減少
これらは、糖尿病そのものによる症状で、糖尿病の状態がある程度
悪化している時に現れる。
②糖尿病性昏睡
非常に病気の重い事を示す。糖尿病のケトン体血症によって
起こされるアシドーシスによるケトン血性昏睡、高血糖による
高浸透圧非ケトン性昏睡、血中乳酸性酸血性昏睡などがある。
③化膿傾向、歯槽膿漏、陰部のかゆみ
細菌に対する抵抗力が下がる為に起こる。
④知覚異常・視力障害
視力障害は網膜の血管の異常等による。
⑤低血糖症状
食後4時間前後に、脱力感、思考力低下、発汗、異常感覚
などの症状が起こる。食後の高血糖の後で血糖が急に降下したために
起こる症状で、糖尿病の初期症状である事が多い。
⑥妊娠異常と新生児の異常
妊娠後半の妊娠中毒症、羊水過多症、流産、早産、巨大児出産
などが糖尿病の母親に見られる。
⑦合併症
糖尿病は合併症の疾患といわれ、大部分の死因は合併症による。
特に注意すべき合併症として血管障害、感染症、精神障害があげられる。
血管障害については細動脈硬化による網膜症や腎症の発現を
特徴としている。感染症は、細菌やウイルスの感染に対する抵抗力が
弱いため、腎孟炎や肺結核を起こしやすい。また、精神障害は、
糖尿病の罹病期間が長くなるほど多くなる傾向にある。
本来の原因は、遺伝的要素による糖尿病にかかりやすい素質と考えられている。また、素質が強くなくても肥満や副腎皮質ホルモンの使用等、強い誘因が加わって発症する人もいる。また、年をとる事も大きな誘因であり、糖尿病素質者を発病えと導く。
遺伝的素質のある人に起こり、病的体質といってもいい病気の為、完全な治癒は不可能であるこのため、身体状況を常に正常に近い状態に保って、合併症を予防するように努める。基本となる療法は、次の3つが上げられる。
①食事療法
②適当な運動(血糖が下がりやすくなる)
③インスリン及び内服糖尿病治療剤
これらのどれが欠けても、糖尿病をコントロールする事が出来ない。
尚、薬剤の使用方法・使用量に関しては、特に注意をする必要がある。
多くの糖尿病は強い誘因が加わって発病に至るものであるから、誘因を取り除くように努める事が予防策となる。
バランスの良い食事と適度の運動で肥満を防ぐ事が大切であり、薬を服用する時には副作用にも注意しなければならない。
糖尿病は膵臓におけるインスリンの代謝、分泌異常、膵臓の炎症、インスリンその物の異常、インスリンを受け取る側での異常など様々な原因で発症するため、その病態も複雑である。
これに対して腸内細菌はホルモン分泌系やそれぞれの臓器における糖代謝系にも関与しているので糖尿病との関わりも深いと考えられる。
更に糖尿病では、血糖値が高い為に血液の粘度が増し、細い血管で動脈硬化を合併するが腸内細菌中には、循環器系に作用し、動脈硬化を予防・改善する菌株が存在する事も確認されている。
(動脈硬化との関わりについては、脳梗塞の項を参照されたい)
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