血液中に尿酸が増え、関節や腎臓などの組織にたまり、その為に、関節に激しい痛みが発作的に起こる疾患である。わが国では、食生活の欧米化、心身のストレスの増加などに伴い昭和30年頃から患者が急増している。発病は40歳以後の男性に多く、患者の90%以上が男性。美食家、大酒家に多く、しかも患者の多くは肥満。
急に関節(最も多いのは足の親指の付け根の関節、次いで足首、膝の関節など)が赤くはれ上がって熱を持ち、じっとしていても激しく痛むようになる。同時に寒気がして39度くらいに発熱する。この様な症状は1週間もすると、まったく治った様になるので、痛風発作といわれるが、しばらくすると、また発作が起こる(年に数回)。痛みの続く日数は、始めは1週間ぐらいだが、年とともに長くなり、10年目には平均2週間になる。また発作の回数も年とともに多くなる傾向がある。適当な治療をしないでおくと、尿酸塩が関節に沢山沈殿する結果、関節が変形して痛風関節というこぶが出来る。一度出来た関節は痛まない時でもそのまま消えず、いつも純痛や不快感が有り、運動も不自由になる。
体内に尿酸がたまり過ぎるのが原因。尿酸の大部分は、人体内の細胞の核の成分であるプリン体が分解してでき、一部分は、食物中のプリン体が体内で分解して出来る。こうして出来た尿酸は、腎臓から尿の中へ、また腸管から便の中へ排出されるが、もし、尿酸の体内での出来かたが多くなり、尿や便の中へ排泄される事が少なくなると、血液中の尿酸の量が増加する事になる。こうした状態に遺伝的素因や、関節部の循環異常が関係して痛風の症状が現れると考えられている。血液中の尿酸の量の多い状態が続くと、腎機能が低下する為、痛風患者は尿毒症を起こす事が多い(痛風患者の死因の半数は尿毒症)。
痛風発作に対しては、コルヒチンが劇的に効くが、下痢、吐き気などの強い副作用を伴う。その他抗炎症剤のフェニルブタゾン、副腎皮質ホルモン剤などが用いられる。急性の痛風発作が薬剤でおさまっても、血液中の尿酸の多い状態が続いていれば、以後も発作を繰り返す事になる。そこで、血中の尿酸の量を下げる治療を絶えず行う必要がある。食事療法では、カロリー制限による肥満の解消に重点が置かれるが、プリン体を大量に含むレーバーなどを特に避ける他、高たんぱく質、高脂肪食も避ける。しかし、根本的な治療は難しく、一生の養生が必要とされている。
予防医学と腸内細菌
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